評価、分析について

国際開発学分野の評価や統計的分析手法について勉強しています。日々学んだことを記録していきます。

2つの異なる母集団の平均の差

1992年から2004年の平均賃金の変化を見る

エクセルでの算出方法

1. 検定の準備:標本の基本統計量を算出する

・標本平均:AVERAGE関数
標準偏差:STDEV関数
・標準誤差:標準偏差/√サンプル数

2. 平均の差の検定:t検定を行う

検定プロセス
(1)\overline{Y}の標準誤差SE(\overline{Y})を求める
(2)t検定量を求める
(3)p値を計算し、もしp値が0.05より小さければ5%有意水準帰無仮説を棄却する


算出方法
(1)標準誤差=標準偏差/√サンプル数
(2)t値=2つの母集団の平均の差/2つの母集団の標準誤差の和
(3)p値:TDIST(t値,自由度,両側検定or片側検定)
・自由度=サンプル数-2
・両側検定=2 片側検定=1

データ分析ツールを使用する

1. F検定

・2つの異なる母集団の平均の差を検定する場合、その分散が等しいか等しくないかで検定の種類が異なる。
そのため、まず等分散かを調べる。

帰無仮説:2つの母集団の分散は等しい
・対立仮説;2つの母集団の分散は等しくない


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・観測された分析比>境界値、P(F<=t)<0.05より帰無仮説は棄却される。
・1992年と2004年の平均賃金の分散は等しくない。

2. t検定

・先のF検定より分散に差があるとわかったため対応がない不等分散のt検定を行う。
帰無仮説:2つの母集団の平均値は等しい
・対立仮説:2つの母集団の平均値は等しくない


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・2004年の賃金が1994年よりも高くなることは明らかなので、片側検定を採用。
・t値>境界値、P(T<=t)<0.05より帰無仮説は棄却される。
・2004年の平均賃金は1992年のものより高い。